【社会人の学び】LGBTQ・SOGIって何?

3番目のキャリア論

外資系企業で働いていて感じることの1つに、ひとりひとりの個性(多様性)を尊重する気風がしっかりと根付いている、ということがあります。

性別、年代、国籍、ハンディキャップ有無、性的志向等々、さまざまなバックグラウンドをもつ同僚と一緒に働いていくには、みんなちがって当たり前」がスタートライン。その上で、「互いが互いのちがいを尊重する」ことが重要だということを社員一同が理解しているように感じます。

もちろん、私のようにバリバリの日系企業出身者も多く、D&I(Diversity&Inclusion:多様性を重視し、自分と異なる相手も受け入れるアプローチ)について馴染みが薄い社員は、教育を受けたり、同僚から教えてもらったりすることで徐々に慣れていきます。

今回、社内で希望者を対象にLGBTQ当事者によるトークセッションが開催され、そこに参加してきたので、そこで得た気づきと考えたことについて振り返ってみます。

トークセッションで配布された冊子『職場におけるLGBTQ・SOGI入門』(認定NPO法人 虹色ダイバーシティ発行)

LGBTQとは?SOGIとは?

LGBTQは「Lesbian」「Gay」「Bisexual」「Transgender」「Queer」「Questioning」の頭文字からできた言葉です。ここ10年の間で、社会的にも認知度が高まっており、漫画やドラマを通じて馴染みある単語になりつつありますね。

この言葉自体は、当事者側がつくった言葉であり、「性的指向」(好きになる相手の性別)と「性自認」(自己の感覚・認識、心の性)にかかわる自称、だそうです。

つまり、自分自身を性別上どのように捉え、好きになる相手の性別がどうなのかによって呼び方が変わる、ということですね。

『職場におけるLGBTQ・SOGI入門』(認定NPO法人 虹色ダイバーシティ発行)より引用

一方、SOGI(ソジ)とは何でしょうか?

こちらは「LGBTQ」に比べると聞きなれない言葉だと思いますが、「Sexual Orientation」(性的指向)と「Gender Identity」(性自認)の頭文字を並べた言葉です。

LGBTQは「人」を示す言葉であるのに対して、SOGIは性に関する「概念」を示します。

LGBTQ同様、自分自身を性別上どのように捉え、好きになる相手の性別がどうなのかを考えるうえでの言葉ですが、LGBTQとの大きな違いは、SOGIは人の属性を示す言葉であって、当事者だけでなくすべての人にかかわる要素である、という点です。

『職場におけるLGBTQ・SOGI入門』(認定NPO法人 虹色ダイバーシティ発行)より引用

「まだちょっと難しくて理解できない」という方は以下マンガを見てみてください。
字面で読むよりも頭に入ってくるかもしれません。

■ 「LGBT」「SOGI」ってなに?チラシ(日本労働組合総連合会)
  https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/gender/lgbtsogi/data/whats_lgbt_sogi.pdf?2331

LGBTQ当事者とはどう接するのが良い?

意外と知られていませんが、LGBTQ当事者は、全人口のおおよそ5~10%程度いらっしゃる、とされています。これは左利きの人と同程度ですので、想像していたよりも多く感じられる方もいるでしょう。

つまり、日常生活を送っているなかで、我々は毎日誰かしらのLGBTQ当事者と接しているとも言うことができるのです。

それでは、LGBTQ当事者に対して、どのように接するのが良いのか?

私は「意識しすぎるのではなく、LGBTQ以外の人と接するのと同じで良い」との結論に至りました。

もちろん、ある程度の配慮は必要だと思います。

例えば、言葉遣い

・「彼氏/彼女」 ⇒ 「パートナー
・「~くん/~ちゃん」 ⇒ 「~さん
・褒め言葉として「男らしい/女らしい」 ⇒ 「~さんらしい

上記は、個人的に日頃から気を付けている表現です。職場でもプライベート(特に子どもの保育園)でも、上記言葉については、特に注意したうえで使うようにしています。

また、それ以外にも

アンコンシャスバイアス(自分自身では気づかない偏見、先入観、考え方)をもたない
アウティング(本人の同意なく第三者が性的指向や性自認などを漏らす)はしない

これらについても、過去に教育を受けた経験から注意するようにしています。

ただ、結局のところ、どれもLGBTQ当事者に対してのみ注意すべきことではない、というのが私の考えです。言葉遣いにしろ、無意識な偏見や個人の秘密を暴露するにしろ、どれも、相手を尊重するのであれば、決して、行ってはいけないことばかり。

つまり、日ごろから、他者を尊重する姿勢を持ち続けておくことこそが、LGBTQ当事者に対して接するうえでも役に立つ、と思うのです。

心に残った言葉

最後にこのトークセッションを通じて、心に残った言葉をメモしておきます。

・休憩時間や飲み会の場で心無い言葉を言われることが多い(そういうときに周りで発言を聞いた人たちが一斉に目を逸らしてしまう様をみると傷つく)

・LGBTQ当事者であることをカミングアウトする/しないはその人自身の考え方次第(無理にカミングアウトしなくても良い)

・自分らしく働けることは本当に幸せ、仕事のパフォーマンスが格段と上がる

どれも、LGBTQ当事者の実体験から生まれた言葉で、とても貴重だと思います。

どうしても、「同一性」を好む日本ではまだ浸透するのに時間がかかると思いますが、誰もが自分らしく、幸せな気持ちで生きることができる世の中にするには、たとえ時間がかかってでも、このような知識を広めていくことが大事だと思い、紹介させて頂きました。

私自身、まだまだ理解が不足していますが、これを機にLGBTQ関連についてアンテナを高く持とうと思います。

失敗しても良い。そこから学んで次に生かせば良いのだから

トークセッションで頂いた言葉のなかで最も心に響いた言葉で締めさせて頂きます。

ここまでお読み頂きありがとうございましたー!

P.S 【LGBTQに関して理解を深めたい方向け】

■ 虹色ダイバーシティ
  https://nijiirodiversity.jp/

■ Tokyo Pride2026
  https://pride.tokyo/

■ 同性婚訴訟に関するニュース(各社で意見が割れています)
 
  BBC NEWS JAPAN
  https://www.bbc.com/japanese/articles/cg4n5gpp7kno 

  読売オンライン(社説)
  https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20251129-OYT1T50001/

  YAHOO! JAPAN NEWS
  https://news.yahoo.co.jp/articles/088135fc58d28ab81c844dc8b935d0133bdda108

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